日本とアメリカの肉牛肥育農場の違い

日本とアメリカの肉牛肥育農場の違い

ジェイソン・ラッセル博士

肉牛栄養学者

ジンプロコーポレーション

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日本とアメリカ両国の農場を歩いてみると、多くの違いがあることが明らかに分かります。しかし、消費者の望む高品質の牛肉を生産するという目標は共に同じです。

日本とアメリカの肥育牧場の明らかな違いの1つ目は牛群規模です。日本では通常、4〜6頭程度を1群で飼養しているのに対して、アメリカでは70〜140頭を1群とすることが一般的です。アメリカの1牛群当りの頭数は、トラックのサイズで決められていることが多いです。アメリカの家畜運搬用のトラックは、だいたい素牛を70頭積載でき、肥育仕上げ期を終えて出荷する際には、35頭の肥育牛を積載できます。従って、このトラックのサイズに合わせた群構成にすることで、1度に群単位で効率的に牛を積載することができます。

日本の肥育牧場は牛群内に換気扇を設置した舎飼いが多いですが、アメリカの肥育牧場の多くは屋根のないパドックで飼養している農場がほとんどです。舎外ではありますが、日陰と風除けは備えています。舎飼いの農場もアメリカでは増えていますが、その多くで換気扇は設置されておらず、自然換気の牛舎です。

 

アメリカでは、購入する素牛は月齢も体重も様々です。6〜8ヶ月齢での導入が一般的ですが、3ヶ月齢で導入する農場もあれば、12ヶ月齢に近い素牛を好む農場もあります。このような高齢の素牛は導入前に放牧飼養されていたものが多く、あまり大きく増体させなかったものがほとんどです。こういった牛たちはストッカーと呼ばれ、増体は大きくないものの、飼料費が最低限しかかかっていないために、利益をしっかりともたらしてくれます。

続いて日本とアメリカの肥育農場における明確な違いは、出荷時月齢と出荷時体重です。アメリカではほとんどの農場で15〜18ヶ月齢で出荷し、その際の体重は枝肉重量で380〜480kgです。日本では27〜30ヶ月齢、枝肉重量が500〜600kg程度での出荷が一般的かと思います。アメリカで何故そんなにも若齢で出荷する理由は、和牛ほど素晴らしい脂肪交雑を求めていないからです。アメリカの牛肉は、日本のBMSに当てはめると2、3、4のものがほとんどです。アメリカで最上級の脂肪交雑であるUSDAプライムは、日本で言うBMSが5以上のものです。

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日本とアメリカの肉牛業界においては、栄養管理も異なります。日本では配合飼料を購入して、1日1頭当り数kg与えることが一般的かと思います。これに対してアメリカでは、給与量の少ないプレミックスは購入しますが、これを1日1頭当り50〜150g程度、下記の写真の様にTMRミキサーに投入して穀物、粗飼料、その他の飼料原料を農場で混合して給与します。

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プレミックスは乾燥粉末のものもあれば、糖蜜などの液体に混合したものもあり、通常ミネラル、飼料添加物、ビタミンといった少量の栄養素を含んでいます。日本ではビタミンAコントロールが一般的ですが、アメリカでは肥育期は通期でビタミンA添加が行われます。ビタミンAを制限することで脂肪交雑が上がることが研究から判明していますが、その結果を得るまでには数ヶ月かかってしまうために、アメリカの短い肥育期間ではその効果を得ることができません。

 

日本とアメリカ両国において、生産性向上と動物福祉改善のための様々な技術が導入されています。ワクチン、駆虫剤、イオノフォアなどが挙げられます。アメリカでは下記写真の様なホルモン・インプラントと呼ばれる技術を実践している農場もあります。耳に打ち込むことで数カ月に亘ってホルモンが放出され、日増体量と飼料効率が改善されます。

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枝肉重量増加と飼料効率改善のために、出荷28〜42日前からラクトパミンを給与する場合もあります。インプラントもラクトパミンもアメリカでは合法ですが、オーガニックメーカーや輸出企業では、これらのどちらか、もしくは両方の使用を禁じている場合もあります。日本とアメリカの両国で認められている、動物福祉の改善と生産性の向上に役立ち、オーガニックにも輸出にも影響を与えない技術があります。それがジンプロ・ミネラルです。

 

アメリカでも日本と同様に、生産者の皆様は良質な栄養給与と優れた飼養管理の重要性を認識しています。離乳後、素牛導入時、その他にもストレスがかかっている時期において、この2つは特に重要です。全ての生産ステージにおいて、健康な牛ほど脂肪交雑の遺伝的能力が最大限発揮されることが、様々な研究から明らかになっています。これに寄与することから、日本でもアメリカでも多くの農場で、ジンプロ社のアベイラ4をご愛顧頂いています。アベイラ4は有機ミネラルの混合製剤(亜鉛、マンガン、銅、コバルト)で、牛の健康状態と蹄の健全性を改善することが研究で証明されています。アメリカでは配合飼料やプレミックスにアベイラ4が混合されていて、TMRで給与し、トップドレス給与はほとんど見られません。適切に混合することで、確実にジンプロ社の推奨量を牛が摂取することができます。

 

肥育前期のストレスが強くかかる期間を過ぎると、アメリカではアベイラ4の給与からアベイラ亜鉛に代える農場が多く見られます。アベイラ亜鉛を60ppm給与することで、枝肉重量が4.4kg増加し、脂肪交雑が若干増え、跛行を減らすことが期待できます。ビタミンAを体全体に輸送するためには亜鉛が必要です。生体内利用率の高い亜鉛の供給源を摂取することで、牛の体内では蓄積したビタミンAを早期に動員することができます。その結果、脂肪交雑を高めるために必要なビタミンAの残存量低下を早期に実現することを助けます。

 

日本とアメリカの肉牛業界では多くの違いがありますが、牛を健康に飼うこと、品質の高い牛肉生産を目指すことといった共通の目標があります。また、牛の健康と農場の利益向上を助けるためにジンプロ・ミネラルを給与することも、日本とアメリカでは変わりません。

 

質の高い牛肉生産を行うためのジンプロ・ミネラル給与に関してのご質問、ご相談は弊社営業担当者までお問い合わせ下さい。

 

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