母豚の跛行がどの様にして斃死に繋がるのか
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母豚の跛行がどの様にして斃死に繋がるのか

ザック・ランボー博士

アメリカでは過去5年間で母豚の斃死率が上昇しています。5年前は平均母豚斃率が約5〜7%でしたが、現在では10〜12%に上昇しています。農場において3〜4%のところもあれば15〜16%のところもあり、平均母豚斃死率のバラツキは非常に大きいです。

母豚の跛行は斃死を引き起こす第2の原因であり、斃死原因の約25%を占めていることがアイオワ州立大学のアイオワポークセンターの調査により分かっています。跛行には多くの要因が関与し、多くの異なる原因によって発症します。怪我や特定の病原体、蹄病の全てが母豚の跛行を引き起こします。蹄病は肢の健全性に悪影響を及ぼすことで炎症を引き起こすことがあります。その結果疼痛や二次感染の引き金となります。

それでは、母豚の跛行を増加させる原因は何でしょうか?多くの要因が母豚の跛行の増加には関与しています。舎飼いの場合、母豚は飼料や水を摂取するために移動しなければならず、蹄病の発生頻度や重症度を上昇させてしまいます。母豚が跛行になると飼料摂取量が減少し、繁殖成績が低下します。そして最悪の場合、早期に淘汰されてしまいます。その他の要因として候補豚選定があります。アメリカの養豚農家は規模が大きくなっているため、理想的な骨格でない候補豚を導入しなければならない場合もあります。候補豚や若い母豚の骨格が健全でなければ跛行が発生しやすくなります。15〜40%の育成候補豚で跛行が見られ、炎症性の蹄病が疼痛やストレスを引き起こし、母豚の生産性や長命性に直接的な悪影響を及ぼします。

 

ジンプロ・ミネラルを母豚栄養プログラムに組み込むことで跛行をコントロールする

母豚の斃死の観点から跛行をコントロールするためにはまずは質の高い候補豚選抜から始めましょう。また、アベイラサウといった母豚用ジンプロ・ミネラルPXを母豚栄養プログラムに組み込むことで、蹄病変の発生頻度及び重症度を低下させることがわかっています。

ここで、ミネソタ大学で実施された試験をご紹介します。試験では119頭の雑種母豚をストール飼いし、2産目終了時まで観察しました。62頭には無機微量ミネラルを給与し、残りの57頭には無機微量ミネラルに加えてアベイラサウを給与させました。ジンプロZinpro® Feet First®プログラムのスコアリングシステムを用いて妊娠中期の蹄病変を2産続けて測定しました。

アベイラサウを給与した母豚では、後肢病変が15%減少、蹄底病変が36%減少、総蹄病変数と外蹄病変数が減少傾向にありました(13%、14.2%)。まとめると、アベイラサウを給与した母豚で16.5%蹄病変数が減少しました。

効果的な舎飼い管理戦略にジンプロ・ミネラルを合わせることで、跛行によって淘汰される母豚数を減少させることが出来ます。

 

Feet First跛行予防プログラムで母豚の跛行をコントロールする

Zinpro® Feet First®跛行予防プログラムは、跛行の特定と予防を通して、母豚の健康及び養豚生産の効率性を向上させることに焦点を当てています。プログラムにはロコモーションスコアリングや蹄病変の特定方法、削蹄技法などが含まれています。

跛行予防に関するご質問、ご相談は弊社営業担当者までお問い合わせ下さい。
 

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