鶏の生産性と持続可能性を科学的に実証された栄養素を用いて向上させる
デゥアルテ・ネヴェス博士
ジンプロコーポレーション
リンは鶏の健康にとって重要な栄養素です。鶏は他の栄養素やビタミンを代謝し、骨や筋肉を成長や卵殻を形成させる際など様々な代謝機能にリンを必要とします。
養鶏飼料に使用される植物性原料に含まれるリンはフィチン酸塩の形状をしていますが、このままでは鳥類は吸収出来ないので利用することが出来ません。また、フィチン酸塩はリンの吸収を妨げるだけでなく、亜鉛、マンガン、銅などの微量ミネラルとも結合し、吸収能力を低下させます。
そのため、リンの消化を改善する目的で、フィターゼを養鶏飼料に添加します。フィターゼはフィチン酸塩を分解し、鶏が利用できる形状でリンを放出するため、健康と成績が向上します。更にフィターゼは、微量ミネラルの様な他の栄養素の消化率も改善させます。
総合的な生産性の向上
複数の試験により、フィターゼと共にジンプロ・ミネラルを養鶏飼料に添加することで、生産性がさらに向上することが明らかになっています。
フィターゼとジンプロ・ミネラルを別々に使用した場合でも、鶏の成長成績、屠体歩留、上皮の健全性などが向上します。しかし、併用することで、相乗効果によりさらに高い生産性を得ることができ、鶏の健康及び持続可能性、収益性を向上させることができます。
成長成績の向上
最近の試験から、フィターゼと併用してジンプロ・ミネラルを飼料に上乗せ添加することで、体重、飼料要求率、屠体歩留、胸肉歩留を向上させられることがわかりました。フィターゼを添加せずにアベイラ亜鉛を使用した場合、体重は2%改善しました。しかし、フィターゼを併用した場合、その改善率は3%に増加しました。飼料要求率にも同様の好影響が見られました。フィターゼ無添加では1.2ポイントの改善でしたが、アベイラ亜鉛と併用すると3.5ポイント改善しました。
屠体歩留まりの向上
フィターゼとジンプロ・ミネラルが屠体と胸肉の歩留まりを改善することで収益性にとっても好影響があることが分かりました。アベイラ亜鉛単体では屠体歩留が0.1%改善しましたが、併用することで0.4%に増加しました。胸肉歩留も同様で、アベイラ亜鉛とフィターゼを併用することで0.3%増から0.6%へと改善しました。
より良い健康と福祉
ジンプロ・ミネラルとフィターゼの相乗効果は、成長成績や屠体歩留だけではありません。私たちは、フットパッドスコアの低下や腸の健全性の向上といった上皮組織への影響においても、同様の結果を確認しました。上皮組織は細菌性軟骨壊死骨髄炎(BCO)や食中毒を含む、多くの一般的な問題に対する防御層として働くため、強固な上皮は鶏の健康において非常に重要です。
ジンプロ・ミネラルとフィターゼを併用することで、脛骨石灰化と脛骨亜鉛含有量が改善され骨の成長が向上しました。適切な骨の成長はリンの重要な働きであり、鶏群の全体的な生産性を向上させるために重要となります。
高いバイオアベイラビリティ
相対的バイオアベイラビリティ(生物学的利用能)も重要です。これは、吸収後に鶏によって利用されるミネラルの量を指します。アベイラ亜鉛とフィターゼを併用することで、亜鉛の相対的バイオアベイラビリティを向上させることが出来ます。
環境持続可能性への好影響
持続可能性の向上
ジンプロ・ミネラルとフィターゼの併用は、収益性を改善するだけではなく、最終的に環境持続可能性にも好影響を与えます。
環境負荷の低減
持続可能な鶏肉生産は、業界にとって非常に重要であり、消費者は責任を持って飼育された鶏肉を求めるようになってきています。ジンプロ・ミネラルとフィターゼを併用することで、種鶏1羽あたりの雛数を増加させ、卵殻の厚さを改善し、脚に問題の無い雛数を増やすことが出来ます。その結果、淘汰数を減らし、環境汚染を減らし、総合的な持続可能性を向上させることが出来ます。
フィターゼとジンプロ・ミネラルの併用を!
フィターゼは養鶏の成功に欠かせません。フィターゼはフィチン酸塩を分離させ、天然に存在するリンやその他の微量ミネラルを鶏にとって消化しやすいものにします。フィターゼとジンプロ・ミネラルを併用することで、成長成績、屠体歩留、健康、動物福祉、生物学的利用能、持続可能性がさらに向上します。
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