乳質を向上させるための、移行期牛の管理方法

乳質を向上させるための、移行期牛の管理方法

アダム・ガイガー博士

乳牛栄養学者

ジンプロコーポレーション

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乳牛において、乳房炎と高い体細胞数は密接に関係しています。もし、牛が乳房炎に罹患した場合、炎症が体細胞数の増加を引き起こし、最終的に乳質を低下させます。

牛は、移行期に乳房炎に罹患しやすいとされています。移行期では、牛に様々なことが起こります。牛は分娩後すぐに乳量が増加します。これにより、負のエネルギーバランスに陥り、免疫システムで利用できる栄養量が少なくなり、免疫力が低下します。

また牛は、乾乳期も乳房炎に罹患しやすいとされています。乾乳期の牛は搾乳されません。従って、感染性の細菌が乳腺から定期的に排出されることはありません。さらに、乾乳牛群に対しての観察回数も減ってしまうでしょう。それだけでなく、乾乳牛群の清掃頻度は一般的にあまり高くないことも、感染の可能性を高めてしまう結果に繋がります。もし、乾乳期に乳房炎に罹患した場合、その牛は体細胞数が高い状態で分娩し、泌乳を開始してしまう可能性があります。

移行期牛での乳質改善は、乳房の健康状態を改善し、細菌感染の蔓延を防ぐことから始まります。適切な管理と栄養プログラムを取り入れることで、皆さんの乳牛は泌乳期に高品質な乳を生産することが出来るでしょう。

 

移行期牛の乳質改善のための秘訣

1.  肢蹄と尾の衛生状態を良好に保つ

趾皮膚炎制御の際に用いたものと同様の衛生管理は、移行期牛の乳質改善にも利用できます。肢蹄と尻尾を清潔に保つことは、乳房炎や体細胞の増加を引き起こす細菌への暴露を減らす上で有効です。また、フリーストールも出来る限り清潔に保つ必要があります。

2. 人によって引き起こされる問題を無くす

同じタオルで複数の牛の乳頭清拭を行わないことや、使い捨ての手袋を使い頻繁に交換することなどを確実に実行して下さい。これらを行うことで、乳房炎の蔓延を減らすことが出来ます

3. 適切な搾乳方法を実施する

搾乳手技に、ミルカーを装着する前に少量の生乳を排出させる前搾りを含めることをご検討下さい。それにより乳房炎を発症している牛の乳を視覚的に確認することが出来ます。また、乳房炎に罹患している場合、各乳房から最初に排出される乳には最も多くの細菌が混入しているので、この乳をバルクタンクに入れないようにすることが出来ます。ミルカーを装着する前に、牛に搾乳刺激を十分に与えることも重要です。もし、刺激時間が少なければ、搾乳時間が長くなることで、機械との接触時間が長くなり、機械から乳頭へ細菌が侵入して細菌感染のリスクを高めてしまいます。また逆も然りで、乳頭から機械へ細菌が移動することもあります。

4. 搾乳機器が正常に作動するか確認する

もし、古く老朽化した装置や不備があるミルカーを使い、それらが適切に洗浄出来ていないと、細菌を牛から牛へ蔓延させ、乳房炎の発症数も増加させてしまいます。例えば、バキュームが正常に作動しない場合、乳頭口が搾乳時に長時間開いたままになり、乳房へ細菌が侵入するリスクが高まります。

5. 乾乳管理プログラムを取り入れる

乳牛において乾乳時は乳房炎のリスクが高まりますので、乾乳期に対する準備は重要です。農場コンサルタントや獣医師と協力して乾乳牛の扱いや、乾乳時の乳頭保護剤使用などを管理プログラムに取り入れることで、乳頭先端からの細菌侵入のリスクを大幅に減少させることができます。

 

移行牛における、乳質改善のための栄養プログラム

ジンプロ・ミネラル、特に亜鉛は乳牛の免疫力を高めることで、乳牛の乳房炎発症数を減らし、体細胞数を減少させます。皆さんの栄養プログラムにジンプロ・ミネラル由来の亜鉛を取り入れることで、乳頭口のケラチン生成を増加させることができます。亜鉛の給与によってケラチン生成量を1日1mg多くすることで、乳頭口から乳腺への病原体の侵入を防ぎます。

未経産牛において、私たちはアベイラプラスを出来るだけ早く飼料に添加することを推奨しています。高濃度の亜鉛給与は、上皮細胞の健康状態を向上させ、ケラチン生成を増加させます。未経産牛への高濃度の亜鉛給与により、初産時の泌乳初期の体細胞数を減少させることが分かっています。

母牛において、有機亜鉛を亜鉛として40ppm給与することは、上皮細胞の健康とケラチン生成にとても大きな影響を与えます。最も良い結果を得るためには、分娩4週間前より添加を始めるとよいでしょう。

乳牛栄養プログラムに関するジンプロ・ミネラルのご質問、ご相談は弊社の営業担当者までお問い合わせ下さい。

 

 

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