エビの生産性を制限しない、適切な亜鉛源を選択する

エビの生産性を制限しない、適切な亜鉛源を選択する

クラウディア・シルヴァ博士

水産生物栄養学者

ジンプロコーポレーション

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亜鉛は人間や陸上動物と同様に水産生物においても必須の微量ミネラルです。人間や陸上動物における亜鉛欠乏の代表的な症状には以下のものがあります。

  • 成長の鈍化
  • 免疫反応の弱体化と慢性炎症
  • 皮膚の異常
  • 創傷治癒の不全
  • 持続性の下痢
  • 食欲不振

亜鉛は遺伝子転写を可能にする約750の亜鉛フィンガータンパク質の構造成分であり、約2,000もの酵素の触媒成分でもあります。それ故、亜鉛は成長や発育、DNA合成、RNA転写などの細胞内プロセスにおける必須ミネラルです。更に、下の図の様に亜鉛はエビの成長や生産性に利益があることが知られています。

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ミネラルの生体内利用性が亜鉛欠乏症を克服するために重要である

亜鉛欠乏症の主な原因として低栄養状態が挙げられます。また、疾病や感染症も亜鉛の生体内利用率を低下させてしまいます。養殖飼料中の魚粉を他のタンパク原料に置き換えることで、亜鉛含有量が減少してしまいます。更にフィチン酸の様に亜鉛などの微量ミネラルと結合して吸収を阻害する抗栄養因子量が増加してしまいます。

Paripatananont氏とLovel氏によって1995年に行われたフィチン酸を含む実用的な精製飼料をアメリカナマズに給与する試験を行いました。その結果、ジンプロ社の硫酸亜鉛メチオニン区の方が硫酸亜鉛区と比較して、成長要求量を満たすためのミネラルの生体内利用性が、3〜5倍高いことが明らかになりました。

更に、Davis氏ら(1993年)によって行われた試験から、バナメイエビは通常の成長維持と中腸腺中の亜鉛蓄積量を最大化させるためには亜鉛が33ppm必要であることが報告されました。同試験から、フィターゼによる亜鉛の生体内利用率の低下を抑え、中腸腺中の亜鉛蓄積量をフィターゼ非添加の半精製飼料を給与した場合と同様のレベルまで回復させるためには、無機亜鉛が200ppmも必要であることが分かりました。

ジンプロ・ミネラルをエビの飼料に添加することで、フィチン酸の様な飼料成分の拮抗作用を最小限に抑え、更に金属輸送体ではなくアミノ酸輸送体を介して吸収されるため、無機ミネラルよりも多くのミネラルを吸収出来るでしょう。

詳しくはこちらの記事をご覧下さい。

 

ジンプロ・ミネラルがエビの成長成績を向上させる

バナメイエビの実用的な飼料中の亜鉛濃度と亜鉛源が成長や健康、そして最終製品の品質にどの様に影響を与えるかを調べた以下の2つの最新試験をご紹介します。

  • Yuan氏らによって実施された試験1(2020年)は、無機亜鉛をアベイラ亜鉛由来の亜鉛に半量または完全置換した際の成長成績と免疫状態、肉質を比較しました。
  • Jintasataporn氏らによって実施された試験2(2015年)は、無機ミネラル由来の亜鉛、マンガン、銅、鉄、セレンをジンプロ・ミネラルに半量または完全置換した際の成長成績と免疫状態、肉質を比較しました。

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試験1から、亜鉛を添加することで、高濃度に魚粉が含有されているにも関わらず、有意に成長と飼料要求率(FCR)に正の影響を与ました(図1、試験1)。硫酸亜鉛120ppmをアベイラ亜鉛由来の亜鉛60ppmに置換しても、エビの成長とFCRを維持出来ました。このことは、ジンプロ・ミネラルがより効果的な亜鉛源であることを示しています。アベイラ亜鉛由来の亜鉛60ppmと硫酸亜鉛由来の亜鉛60ppmの併用がFCRに最も効果的でした。以上から、より高濃度の亜鉛添加が、エビの生産性の最大化には必要であることが示唆されました。

試験2から、硫酸塩由来の無機微量ミネラルプレミックスの半量をジンプロ・ミネラルに置換すると、最終体重が増加し、FCRが1.8%改善しました(図1、試験2)。投資利益率(ROI)は半量をジンプロ・ミネラルに置換することで無機微量ミネラル単独と比較して16%上昇しました。

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図1.エビの飼料要求率(FCR)における亜鉛濃度と亜鉛源の影響

 

ジンプロ・ミネラルでエビの健康状態を向上させる

更に、試験1では、エビの実用的な飼料中に亜鉛を添加することで、有意に抗酸化能力と免疫関連の酵素活性が向上しました。また、硫酸亜鉛をアベイラ亜鉛と半量または完全置換することで、エビの免疫システムにおいて非常に重要な因子である、血リンパフェノールオキシダーゼ活性が有意に上昇しました(図2、試験1)。その他には、中腸腺の抗酸化能力と免疫関連の酵素活性も、硫酸亜鉛由来の亜鉛60ppmとアベイラ亜鉛由来の亜鉛60ppmを併用することで上昇しました。

無機塩由来の亜鉛、マンガン、銅、鉄、セレンをジンプロ・ミネラルに部分的または完全置換することで、血球数の増加とフェノールオキシダーゼ活性の上昇によって、免疫状態を向上させることが出来ました(図2、試験2)。興味深いことに、無機微量ミネラルプレミックスをジンプロ・ミネラルと部分的または完全置換することで、ビブリオ・ハーベイに感染したエビの累計斃死率が有意に低下しました。

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図2. エビの健康バイオマーカーと斃死率における亜鉛濃度と亜鉛源の影響

 

亜鉛はドリップロス、解凍時損失を減少させることが出来る

試験1、2共に、亜鉛濃度と亜鉛源がエビの品質、特にドリップロスと解凍時損失に有意な影響を与えました。アベイラ亜鉛由来の亜鉛を硫酸亜鉛と併用または、硫酸亜鉛の半量を置換することで、ドリップロスと解凍時損失を有意に減少させることが出来ました(図3、試験1)。

更に、無機微量ミネラルプレミックスをジンプロ・ミネラルで半量または完全に置換することで、冷凍後4日目の殻むきエビのドリップロスを減少させました(図3、試験2)。

これらのことから製品の品質を向上させるためには、ジンプロ・ミネラル由来の亜鉛添加の方が無機亜鉛添加よりも優れていることが明らかになりました。

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図3. エビの品質における亜鉛濃度と亜鉛源の影響

 

ジンプロ・ミネラル:エビの生産性を最大限に高めるための最良の選択

エビ飼料中にジンプロ・ミネラル由来の亜鉛を60ppmのみを添加または、他の微量ミネラルアミノ酸錯体と併用することは、エビの成長、抗酸化能力、免疫反応、製品の品質を向上させるために最も効率的なアプローチの1つです。

ジンプロ・ミネラルの高い生体内利用率は、環境中への栄養排出量を減らしながら、費用対効果の高いエビ養殖に貢献します、そしてそれは、より持続可能性の高い選択肢でもあります。

ジンプロ・ミネラルをエビ栄養プログラムに組み込む際のご質問、ご相談は弊社営業担当者までお問い合わせ下さい。

 

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