ジンプロ・ミネラルによる体外受精の成功率の向上

ジンプロ・ミネラルによる体外受精の成功率の向上

ジェイソン・ラッセル博士

肉牛栄養学者

ジンプロコーポレーション

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体外受精(IVF)卵の生産が、乳牛業界ほどではありませんが、肉牛業界においても広がってきています。IVFとは、母牛から卵母細胞(未受精の卵)を採取し、シャーレ上で受精させる行程のことを言います。恒温器の中で7日間培養を行った後、受精卵の品質を評価します。高品質の受精卵は即座にレシピエント牛に移植され、妊娠することを期待するか、凍結し、レシピエント牛への移植の機会を待ちます。

牛でのIVF卵の生産と移植は、過去15年間で3倍以上にまで増えました。国際胚技術学会(The International Embryo Technology Society)によると、2018年においてIVF卵の生産数は750,000個、体内受精卵は406,000個であったと推定されています。

肉牛繁殖農場において、母牛は1年1産することが望ましいとされています。この母牛の繁殖周期を阻害することなく、卵母細胞を採取することができるIVFは、繁殖農場の成績を向上させる、有効なツールであると考えられます。たとえ妊娠牛からであっても、胎児と胎盤が骨盤上に載り、卵巣に手が届かなくなるまでは採卵が可能です。IVFの活用により、空胎牛、妊娠牛、後継候補牛に関わらず、農場内の優秀な雌牛の子牛・孫牛を、短期間でより多く生産することが可能になります。

さらにIVFでは、珍しい、雌雄判別、高価な種雄牛を選定する機会にも恵まれます。海外においては、1つの精液を複数のドナー牛の卵母細胞に用いることも可能ですし、エリート牛の卵母細胞をシャーレ上で混在させた状態にし、複数の種雄牛の精液を使うという選択肢もあります。

IVFの活用は、高品質の牛肉を生産できる遺伝子や、親付での子牛管理に向いた乳生産量の高い遺伝子、農場経営の持続性を高める遺伝子といった、価値の高い牛の生産性の向上に繋がります。

 

繁殖母牛の栄養改善で、受精卵の喪失を減少させる

妊娠状態が失われてしまう原因の70%が、妊娠期の最初の45日の間に起きてしまうことが、繁殖農場の大きな問題です。この危険性が高い期間に何ができるかが、妊娠の成立に繋がることから、繁殖成績に大きな影響を及ぼします。

その他の繁殖の問題として、牛の体内では、繁殖活動に向けられる栄養素の優先順位は最も低いことが挙げられます。摂取した栄養素は、まず第一に生命維持のために用いられます。生命維持のための栄養素が満たされると、次に免疫のため、さらに成長のためへと栄養素は使われていきます。そして最後に、残った栄養素が繁殖のために用いられます。母牛の栄養状態が悪化していたり、ストレス下や免疫を活性させるためにエネルギーなどの栄養素がより必要な状態に陥ったりすると、本来繁殖に向けられるべき栄養素が、その他の優先順位の高い生理学的組織の栄養要求を賄うために使われていきます。

さらに育成牛や若齢の母牛は、繁殖活動を行うと同時に、自身もまだ成長しており、泌乳と子牛の世話のためにも、より多くの栄養素を必要としています。生産現場では、繁殖成績を高めるためには、最適な栄養素を給与する必要があることを認識しなければなりません。

 

ジンプロ・ミネラル給与による、卵母細胞と受精卵生産の向上

アメリカ・テネシー州のアルコアにある、テネシー州東部農業試験/教育センター(ETREC)で、泌乳中の肉用繁殖牛のIVF卵生産にジンプロ・ミネラルが与える影響を調べる試験が行われました。本試験は、肉牛業界で、有機微量ミネラル(ジンプロ・ミネラル)がIVF卵生産における影響を調べた最初の研究です。

本試験では試験期間全体を通して、母牛をフェスクとアカクローバーの放牧地で飼養しました。分娩後の母牛68頭を、まず体重、ボディコンディション、産次で区分し、その後アベイラプラス区と対照区にランダムに分けました:

  • アベイラプラス区: ジンプロ社の亜鉛、マンガン、銅、コバルトにヨウ化カリウムを加えた特別処方のアベイラプラスを、フリーチョイスのサプリメントの一部に混合して給与
  • 対照区:アベイラプラス区と同様の処方の微量ミネラルを、無機ミネラルで給与

通常の繁殖スケジュールに則るために、処置を開始してから30日後に、全頭に人工授精を行いました。試験開始から58日目に妊娠鑑定を行なった結果、この時点での、アベイラプラスを給与していた牛の受胎率は64.7%、無機ミネラルを給与していた牛の受胎率は52.9%でした。その後、妊娠状態が変動要因になることがないよう、空胎牛はその時点で試験から除いたところ、試験対象となる妊娠牛は38頭(アベイラプラス区20頭、対照区18頭)となりました。この牛たちをさらに1処置区あたり5牧区(計10牧区)に分け、それぞれの試験飼料給与を継続して行いました。

82日目と97日目に、エコーを用いながら採卵を行いました。自然な状態での卵胞形成を評価するために、卵胞刺激ホルモンを用いたホルモン処置は、本試験では行われていません。培養可能な卵母細胞のみ受精させ、8日後に再度観察を行い、ジンプロ・ミネラルがIVF卵生産に及ぼす影響を評価しました(1牧区当りの頭数に対して、統計学的処理を行っています)。

本試験によって、以下のことが明らかになりました。

人工授精後、最初の8日間は胚死滅などの70%が起こり、妊娠状態を半減させてしまう危険性の高い妊娠初期という重要な時期です。その時期において、アベイラプラスが肉用牛の繁殖に好影響を与えました。

アベイラプラスを給与した母牛では、無機ミネラルを給与した母牛と比較して、培養可能な卵母細胞の生産数が43%増加し、レシピエント牛に移植可能な受精卵を75%多く生産しました。

アベイラプラスを給与した本牛自身も、繁殖効率の向上が見られました。無機ミネラルを給与していた母牛では、高品質な移植可能の受精卵1つを生産するために、アベイラプラスを給与していた母牛と比較して2倍以上の数の培養可能な卵母細胞を必要としました。

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妊娠する前から、ライフタイム・パフォーマンス(一生に亘る生産性向上のための微量ミネラル給与プログラム)を検討する

繁殖成績の向上のために、適切な遺伝子の選定、高品質精液の利用といった様々な技術を検討する中で、ジンプロ・ミネラルの給与も重要です。カーレースにおいて、高性能の車に普通のガソリンを入れることがないように、農場の優秀な繁殖母牛に低品質な無機ミネラルを給与するのは、いかがなものでしょうか?

肉用繁殖牛の栄養給与プログラムにアベイラプラスを添加することで、IVF卵生産の効率が上がり、通年における母牛の生産性の向上が期待されます。

ジンプロ・ミネラルがどのようにIVF卵生産において、高品質な卵母細胞と移植可能な受精卵の生成を助けるのかについてと、アベイラプラスの給与についてのご質問、ご相談は弊社営業担当者までお問い合わせ下さい。

 

     

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