増加傾向にある、鶏における腸管の炎症

増加傾向にある、鶏における腸管の炎症

レオナルド・リナレス博士

研究開発・栄養学テクニカルサービス部門 家禽チームリーダー

ジンプロコーポレーション

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生産者として、腸管の炎症は健康に関する問題であることを理解しておく必要があります。腸管の炎症は、生産者の皆さんが思われている以上に、鶏の生産性に負の影響を与えていると考えられます。腸管の炎症は、腸管組織が粗雑になり、栄養吸収能が低下している状態であり、鶏の成長あるいは遺伝的潜在能力の発揮を低下させます。

腸管の炎症は、感染、心的外傷、喧嘩、つつき、あるいはその他の環境要因により起こります。その中でも、飼料は主要原因の一つと考えられています。特に、大豆粕のような飼料原料の幾つかは、腸管腔内の乱れを引き起こし、これが炎症に繋がります。

今まで、多くの生産者の皆さんが、鶏の健康、施設・器具器材、全体的な飼養管理に関する潜在的な諸問題を解決するために抗菌剤に頼ってこられたかと思います。抗菌剤使用制限の流れがある中で、腸管の炎症という健康問題は、今まで以上に大きな問題となってくると考えられます。

 

鶏にリーキーガットを引き起こす炎症

腸管腔表面は、粘膜上皮細胞の単層構造で構成されています。これらの粘膜上皮細胞は、“タイトジャンクション”と呼ばれる複合蛋白質構造で互いに固く密着しています。これにより、腸管腔内の細菌、病原体、毒素が粘膜上皮細胞層を通過し、血流に侵入することを防いでいます。

暑熱ストレス、細菌、汚染飼料等の要因により、タイトジャンクションは弱められ、“リーキーガット症候群”と呼ばれる症状が現れます。この負の影響は、細菌、病原体やそれらが出す毒素の粘膜上皮細胞間からの侵入を許し、細胞の損傷や腸管の炎症を引き起こします。さらに、この炎症に対応するために、非常に多くの栄養素を消費する免疫システムが作動し、成長や増体のために用いられるべき栄養が減少します。

 

鶏における腸管の炎症の有無を見分ける方法

腸管に炎症が発現した際、いくつかの肉眼所見が認められます。すなわち、軟便、敷料状態の悪化、羽毛粗剛、総排泄腔周囲の汚れ、食下量の低下による増体低下及び飼料要求率の悪化等です。敷料が、乾燥状態から水分を多く含んだ状態や、脂っぽい状態に変われば、これは鶏の消化器が栄養をしっかりと吸収出来ていないことを示しています。

 

鶏における炎症の軽減に貢献するジンプロ・ミネラル

様々な研究報告から、亜鉛欠乏は腸のタイトジャンクション構造をさらに弱めることが分かっています。亜鉛は、器官、組織、腸粘膜上皮細胞の構造成分の形成に重要な微量ミネラルです。

微量ミネラル、特に、亜鉛は炎症発現時に動物の炎症対応能力を高めることが証明されている重要な栄養素の一つです。他のエネルギーやアミノ酸と比べ、微量ミネラルは、免疫応答時により多く必要とされる栄養素です。微量ミネラルは、免疫システムによって産生される多くの酵素や防御蛋白質の補因子であることが、その理由に挙げられます。

今まで、ブロイラー生産者の皆さんは、細菌や病原体、それらから産生される毒素に対応するために抗菌剤を使ってこられたと思います。ただ、この抗菌剤が、腸における炎症の発生原因を見え難くしてきたのかもしれません。

ジンプロ社は、ベルギーのゲント大学の研究を支援し、同大学及びILVOアニマルサイエンス社との協働により、腸内毒素症に対するアベイラ亜鉛の影響を調べました。なお、本研究における腸内毒素症は、栄養からのアプローチにより腸内細菌叢のバランスを崩して作り上げた臨床モデルです。

本研究では、腸内毒素症に罹患した680羽の雄ブロイラー鶏を用い、初生から36日齢まで、340羽に硫酸亜鉛60ppmを、残りの340羽にアベイラ亜鉛由来の亜鉛60ppmを、給与しました。飼料には、ライ麦等の粗雑な原料を用い、非でんぷん性多糖類(NSP)分解酵素を添加せず腸内毒素症を作り上げました。

研究結果から、アベイラ亜鉛由来の亜鉛は、亜鉛消化率、抗酸化状態、腸の組織構造等の指標について良好な影響をもたらすことが分かりました。また、アベイラ亜鉛区の28日齢時点の飼料要求率は、硫酸亜鉛区よりも優れていました。

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飼料にアベイラ亜鉛由来の亜鉛を添加することにより、ブロイラー鶏の腸の炎症や酸化ストレスを軽減することが出来ます。これにより、斃死率の低下、腸管の健全性向上、細菌、病原体や毒素に対する免疫応答能向上等が期待でき、ブロイラー鶏の生産成績をさらに高めることが出来ると考えられます。

ジンプロ・ミネラルが、鶏における腸管の炎症軽減にどのように影響するかについてのご質問、ご相談は弊社営業担当者までお問い合わせ下さい。

 

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