ジンプロ・ミネラルを用いて、エビの発色を向上させ、費用を削減する
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ジンプロ・ミネラルを用いて、エビの発色を向上させ、費用を削減する

クラウディア・シルヴァ博士

ジンプロコーポレーション

消費者に受け入れられるかどうかや、市場価格、製品品質を決定する要因は数多く存在します。その中で最も大切な要因の一つが発色です。

消費者は調理した時に、鮮やかなオレンジがかった赤色をするエビを好みます。市場において、発色の良いエビには高い付加価値がつきます。そのため、生産者はエビの発色を向上させるための、費用対効果の高い方法を探しています。

この記事では、どの様にエビの発色を向上させるのか。また、何故微量ミネラルへの投資が、エビ生産の効率を向上させ、費用を抑えることに繋がるのかをご説明します。

 

アスタキサンチンを用いてエビの発色を向上させる

エビの飼料中にアスタキサンチン及び他のカロテノイドを添加することが、発色を向上させるためによく用いられている方法です。野生の海洋生物の色は、微細藻類などの微生物の色に由来します。しかし、養殖されているエビの色は、飼料から摂取されるアスタキサンチンを中心とした色素によって決定されます。アスタキサンチン25〜100mg/kgを約1ヶ月添加することが、最も効果的な方法であると分かっています。

アスタキサンチンはエビの発色を向上させるだけでなく、抗酸化物質としても重要な役割を担っています。従って、色素の利用率は、エビが必要とする抗酸化物質を飼料中の他の栄養素でどれだけ充足させられるかに左右されます。

 

微量ミネラルは、抗酸化反応において重要な役割を担う

魚やエビは、活性酸素種(ROS)から体を守るために抗酸化物質を必要とします。スーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)やグルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)、カタラーゼなどの抗酸化物質は、フリーラジカルを除去し、酵素による抗酸化反応を担います。これらの酵素が正常に作用するためには、亜鉛やマンガン、銅、鉄、セレンなどの微量ミネラルが必要です(図1)。

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エビがこれらの微量ミネラルを十分量摂取できないと抗酸化反応の効果が弱まり、アスタキサンチンを抗酸化反応のために使ってしまうでしょう。その結果、アスタキサンチンの色素としての利用率が低下してしまいます。

同量のアスタキサンチンを給与したとしても、エビの発色に差が出るのは、飼料中の微量ミネラル量が制限されているためだと考えられます。特にこの状況は、ストレス環境下で抗酸化反応がより必要な場合によく起こります(例えば、水温の変化、塩分または酸素濃度、ハンドリング、捕獲、輸送、疾病など)。

 

飼料コストを削減し、発色を維持する

エビの発色を向上させる費用対効果の高い方法は、エビの微量ミネラル給与プログラムにジンプロ・ミネラルを組み込むことです。バナメイエビに5つの試験飼料を給与する研究が最近行われました。対照区飼料には、アスタキサンチン75ppmを添加し、ジンプロ・ミネラルは添加しなかった。その他4つの試験飼料は、アスタキサンチン25ppm、カンタキサンチン25ppmを添加した飼料にアベイラ亜鉛アベイラマンガンアベイラ銅アベイラ鉄、アベイラセレンを様々な濃度で添加した。

*日本での取り扱いはありません。

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この試験から、ジンプロ・ミネラルを添加することで、アスタキサンチン量を3分の2に削減したにも関わらず、色スコア(SalmoFanTM)が一貫して維持され、脂質の酸化が軽減されたことが分かりました。脂質の酸化が抑制されたことで、微量ミネラルが抗酸化作用の役割を担うことが明らかになりました。

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しかし一方で、カンタキサンチンとの併用でアスタキサンチン量を75ppmから25ppmに削減し、ジンプロ・ミネラルを添加しない場合には以下の結果となった。

  • 脂質の酸化に影響なし
  • 肉と殻の赤みの比率の低下(a*)
  • 3週間でSalmoFanTMスコアが27から24.4に減少

これらの結果から、エビ飼料にジンプロ・ミネラルを添加することで、わずか3週間でエビの抗酸化能力が高まり、アスタキサンチンを抗酸化機能のためではなく、色素沈着に利用することが出来るようになることが分かりました。これにより、飼料1トン当たり$66の費用を削減出来ます。

 

エビの発色を向上させましょう

ジンプロ・ミネラルを用いて抗酸化機能を向上させることで、エビの発色も同様に向上させることが出来るでしょう。その結果、飼料費を削減し、より多くの収益を得ることが出来るでしょう。魚やエビの飼料中にジンプロ・ミネラルをどの様に組み込めば良いのかに関するご質問、ご相談は弊社営業担当者までお問い合わせ下さい。

 

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