育成〜肥育期において強健な豚を育てる
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育成〜肥育期において強健な豚を育てる

クリストフ・ラップ博士

ジンプロコーポレーション

養豚生産の主な目的の一つが、育成〜肥育期に強健な豚を育てることです。ところで、強健な豚とはどの様な豚を指すのでしょうか?強健な豚とは、免疫刺激に対して素早く対応し、迅速に押さえ込むことが出来る豚を指します。この様な豚は成績が良くなり、疾病罹患率を抑え込み、抗生物質による治療も少なく済みます。その結果、淘汰される頭数を減らすことが出来ます。

出荷前の豚を淘汰すると、飼料やワクチン、治療、時間といったそれまで豚に投資してきたもの全てを失うということになってしまいます。これらの直接費用は、出荷される残りの豚に上乗せされ、最終的に全体の生産費率が増加し、収益性が低下してしまいます。更に、その豚が出荷出来なかったことによる機会損失も発生します。直接費用と機会損失による損失額は、各地域での飼料価格や豚価によって左右されますが、EUでは豚の淘汰率が1%上昇することで、肥育豚1頭あたり約227.17円(1.8€;2021年2月時点)の損失が発生すると試算されています。

育成〜肥育期豚の強健性を向上させることで淘汰される頭数が減少し、農場の収益性が増加します。育成〜肥育期において十分量の亜鉛を確実に給与することが、強健性を向上させるために重要です。

 

亜鉛は健康と強健性をどの様に向上させるのか

亜鉛は肥育期において、健康状態を向上させ、強健に育てるために重要な栄養素です。亜鉛はタイトジャンクションの維持を助けることで、栄養素を吸収させながらも、有害微生物が腸管から体内に侵入することを防ぎます。また、亜鉛は免疫細胞の活性化にも関与しており、免疫刺激に対しての迅速かつ強固な免疫反応のために必須です。特に問題が起きていたりストレス環境下でより良い成績を収めている豚は、出荷時まで在群でき、治療や処置作業のための保定、淘汰等にかかる人件費が少なく済むため、収益性がより高いでしょう。

アベイラ亜鉛由来の亜鉛を育成〜肥育期に給与することで、免疫反応初期により多くの免疫細胞を生成し、免疫刺激からより迅速に回復することが出来ます。更に、再感染を防ぐための抗体をより多く産生出来るでしょう。

育成〜肥育期の豚5,300頭にアベイラ亜鉛を給与した試験では、他の亜鉛源を給与した区と比較して、淘汰率が1.3%減少しました。上記の経営試算を用いると、EUでは、肥育期豚1頭あたり約295.34円 (2.34€)の費用を削減が出来るということになります。

 

亜鉛を給与して強健な豚を育て、収益性を高める

育成〜肥育期飼料には、80〜100ppmの亜鉛添加が推奨されていますが、私たちは、そのうち50ppmをジンプロ・ミネラルに置換することを推奨しております。豚の体内において直ぐに利用出来る亜鉛の量は、免疫刺激に対抗するために必要な量よりも少ないため、亜鉛を毎日給与する必要があります。

強健な豚を育てることが出来れば、疾病罹患率や斃死率を押さえ込めるでしょう。そして、最終的に生産費を減少させ、収益性を高めることが出来るでしょう。

アベイラ亜鉛を用いて強健な豚を育てる方法に関してのご質問、ご相談は弊社営業担当者へお問い合わせ下さい。