母豚への栄養が子豚の腸管の健康と免疫反応に影響を与える

母豚への栄養が子豚の腸管の健康と免疫反応に影響を与える

ザッカリー・ランボー博士

研究開発・栄養学テクニカルサービス部門 豚チームリーダー

ジンプロコーポレーション

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養豚業界での最も大きな課題の1つが、子豚の生存率と生産性です。離乳ストレスや母豚の乳から得られる獲得免疫不足によって、離乳直後の豚が感染性腸内細菌に感染し易くなり、生存率に問題を引き起こしてしまいます。

アメリカでの離乳前の平均斃死率は約16%であり、更には変動幅が大きく、改善の余地があります。従って、子豚が強健な腸管を維持し、感染に対しての強固な自然免疫反応を獲得することが生存率を上げる事にとって重要です。

ジンプロ・ミネラルを妊娠期の初産豚と経産豚に給与することで、母豚の生産成績が向上し、生まれた子豚の腸管の健全性が向上することで子豚の生産性にも好影響を与える事が試験から分りました。

 

微量ミネラルの栄養状態を向上させる事でリーキーガットを防ぐ

消化管内膜は、複数の上皮組織層で形成されています。腸の吸収箇所である絨毛は、腸粘膜上皮細胞の層で構成されており、栄養素を吸収しています。これらの細胞はタンパク質複合体により互いに密接結合しています。この構造は“タイトジャンクション”と呼ばれています。タイトジャンクションの役割は、細菌や病原体、毒素が細胞間隙から血流へ侵入するのを防ぐ物理的な防御層を形成することです。

健康な腸管壁は長く、指の様な形をした絨毛が存在し、それにより、栄養素を消化吸収する表面を拡張しています。離乳前は吸収箇所である腸絨毛は、細長い構造をしています。一方で離乳後は、離乳後最初の24時間の間に絨毛の高さが75%減少することが分かっており、急激に厚く短くなってしまいます。短い絨毛では消化と栄養素の吸収が十分に出来ません。栄養吸収量が減少すると、タイトジャンクションの健全性も損なわれてしまいます。

暑熱ストレスや飼料摂取量の低下、細菌感染、飼料汚染などの要因もタイトジャンクションの健全性を損ない、“リーキーガット”と呼ばれる状態を引き起こします。リーキーガットとは、細菌や病原体、毒素といった異物が上皮細胞間隙から血流に侵入することを指し、結果として細胞損傷や腸管炎症を引き起こしてしまいます。リーキーガットに陥った場合免疫システムが作動し、炎症を抑えるために多量の栄養素が必要になり、子豚の成長に利用可能な栄養素量が減少してしまいます。

母親の栄養状態が子供の栄養状態に正または負の影響を与えることが、試験から明らかになりました。このことは動物だけでなく人間にも当てはまります。ジンプロ社は、妊娠期の母豚飼料にジンプロ・ミネラルを添加することで、子豚のより強固な自然免疫反応の獲得にどの様に役立つかを評価する試験を、アルバータ大学と共同で実施しました(Caine et al., 2009)。

母豚を無機微量ミネラル区とジンプロ・ミネラル区の2つの試験区に割り当て、妊娠後期(80〜114日)の間給与し続けました。

無機微量ミネラル区:酸化亜鉛由来の亜鉛120ppmを添加

ジンプロ・ミネラル区:アベイラ亜鉛由来の亜鉛250ppmを対照区飼料に上乗せ添加

分娩後は通常の授乳期飼料に切り替え、子豚は14日齢時点で屠殺し、腸の形態を調べました。

離乳後最初の24時間の間に絨毛の高さが75%減少し、急激に厚く短くなる事が分かっていましたが、ジンプロ・ミネラル区の母豚から生まれた子豚では、腸絨毛の高さがより高く、腸絨毛と腸陰窩の比率も大きくなっていました。この結果から、子豚の栄養吸収面積がより広くなり、下痢の発生の減少に繋がりました。

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より強固な免疫反応

腸の形態から、損傷または感染した腸上皮細胞を除去する働きをする上皮内リンパ球数の増加も確認出来ました。そして、その結果は腸管の免疫反応の向上に貢献しました。更に、腸管内の杯細胞の増加も確認出来ました。杯細胞はムチン生成の役割を担っており、ムチンは粘膜層を腸管壁に形成します。上皮内リンパ球が病原体を破壊し、病原体数の減少に貢献し、杯細胞は、ムチン生成の役割を担い、腸内に粘膜防御層を形成するのに貢献します。

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ジンプロ・ミネラルの子豚の腸の健康への影響に関するご質問、ご相談は弊社営業担当者までお問い合わせ下さい。

 

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