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育成牛へのジンプロ・ミネラル給与が趾皮膚炎のリスクを低減し、生産能力を向上させる。

育成牛へのジンプロ・ミネラル給与が趾皮膚炎のリスクを低減し、生産能力を向上させる。

オルトゥロ・ゴメス博士、獣医師

ジンプロコーポレーション

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“有毛イボ”とも呼ばれる趾皮膚炎は痛みを伴う病変を形成することで、時に跛行の原因となり、最終的に乳量の減少や繁殖成績の低下を引き起してしまいます。

農場の泌乳牛群において趾皮膚炎を減らすためには、発生源での感染を抑えることが鍵となります。すなわち多くの農場において、育成牛に着目する必要があります。育成牛飼養において、趾皮膚炎管理は大きな課題です。趾皮膚炎は育成牛が性成熟を迎えた頃から見られ始めることにご注意下さい。

趾皮膚炎は一度農場に入り込むと、急速に感染が広がり、牛群全体で罹患率が高くなることが多いことから、育成牛の段階から管理と予防を始めることが重要になります。育成期で趾皮膚炎に罹患してしまうと、この疾病の特性と慢性病変が形成された場合の治療の難しさから、ほとんどが“一生に亘る持続感染牛”になってしまいます。

強固な免疫機能の確立と、生殖器の発達、皮膚と蹄の健全性の維持、趾皮膚炎のような疾病の予防と牛の抵抗力向上のために、微量ミネラルが必要になります。育成牛に給与する栄養プログラムの中に、ジンプロ社のアベイラプラスを添加した特別な趾皮膚炎対策処方の微量ミネラルプレミックスを組み込むことで、趾皮膚炎の発生率の低減と育成牛全体の健康状態の改善、生産成績の向上が認められたことを示す研究結果があります。

 

微量ミネラルが趾皮膚炎の影響を緩和する

経産牛にジンプロ・ミネラルを給与することで、趾皮膚炎の罹患率が低下し、乳量と繁殖成績に好影響を及ぼします。これを踏まえて、分娩6ヶ月前から未経産牛にジンプロ・ミネラルを給与する試験を行ったところ、無機ミネラルを給与した未経産牛と比べて、初産時の乳量と繁殖成績が高いという結果が得られました。

授精から分娩までの間に1度だけ趾皮膚炎に罹患した育成牛は、初産時に趾皮膚炎が再発する危険性が45.6%、育成期に複数回罹患した牛では67%でした。育成期に1度も趾皮膚炎に罹患しなかった牛の初産時の趾皮膚炎罹患率は13.7%でした。

 

微量ミネラルの給与で、趾皮膚炎に罹患した育成牛の初産時の繁殖成績を高める

趾皮膚炎と牛の繁殖成績の間には強い相関関係があることが分かっています。複数回趾皮膚炎に罹患した育成牛の、初産時の初回授精受胎率は29%であったのに対し、1度も趾皮膚炎に罹患しなかった育成牛の初産時の初回授精受胎率は42%でした。同様に、育成期に複数回罹患した初産牛の空胎日数は157日と長く、一方、育成期に罹患歴のない初産牛の空胎日数は132日でした。育成期の趾皮膚炎罹患は、初産時乳量も著しく低下させることが分かっています。育成期に1度だけ趾皮膚炎に罹患した初産牛では、初産時乳量が199kg減少し、複数回の罹患歴のある初産牛では335kg減少しました。育成期にジンプロ・ミネラルを給与した初産牛は、無機ミネラルを給与した初産牛と比較して、趾皮膚炎に罹り難く、抵抗性が高かっただけでなく、全ての牛で乳量がさらに192kg高いという結果が得られました。

 

趾皮膚炎対策を早期から行うことが、成功に繋がる

育成牛の趾皮膚炎をコントロールするために重要な3つの検討事項:

  • 感染牛を農場内に入れないために、防疫基準を高める。若齢期から定期的に育成牛の肢蹄を観察し、成牛も含めて適切な治療方法を確立することで、水平感染の元となる慢性病変の割合を低減する。
  • 清潔で乾燥した環境を維持し、場合によっては望ましいデザインの蹄浴槽を用いて皮膚へのストレスを減らし、予防を行う。除糞頻度を増やすことや飼養密度の低減を図ることも、下肢の衛生状態を改善する上で非常に効果的である。
  • 全ての成長ステージにおいて、趾皮膚炎予防のために微量ミネラルが大きな役割を担っている。育成牛の栄養プログラムにジンプロ・ミネラルを組み込むことは、総合的な予防と管理の一端として有効で、分娩後の生産ステージにおいても、健康状態に利益をもたらす。

育成牛の趾皮膚炎予防や、成牛を含めた栄養プログラムへのジンプロ・ミネラルの組み込み方の詳細については、弊社担当営業員にご連絡ください。また、弊社のDDチェックアプリもお役立てください。

 

     

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