ITMNS 2021 国際微量ミネラル栄養学
シンポジウム
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牛呼吸器病による経済損失を抑える

牛呼吸器病による経済損失を抑える

クリス・アシュワース博士、獣医師

研究開発・栄養学テクニカルサービス部門 肉牛チームリーダー

ジンプロコーポレーション

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牛呼吸器病(BRD)は肉牛農場で一般的に見られる感染性疾患で、経営に負の影響を及ぼす主な要因の1つです。BRDは肥育農場で発生する疾病の75%を占めるとされていて、肥育牛の死亡原因の50〜70%に関与しているとも言われています(Edwards 1996; Galyean, Perino and Duff, 1999; Loneragan et al., 2001)。

アメリカでは、BRDによる経済損失は年間で8〜9億ドルに上ると試算されています。生産者の方々は、この経済損失の多くは抗生物質や抗炎症剤の使用による治療費に基づくものであると考えられていると思います。確かに治療費が占める割合も大きいですが、実際に最も大きな経済損失を生んでいるのは、BRDによる斃死もしくは生産性の低下です。

 

BRDにかかる費用はいくらか?

BRDの治療費には抗生物質や抗炎症剤の価格だけでなく、牛群から罹患牛を連れてきたり治療したりするための労賃も含めて考えなければいけません。

  • BRDによる経済損失の内、薬剤費及び治療費はおよそ21%程度でしかなく、残りの79%は枝肉重量の減少(8.4%減少)、肉質等級の低下(USDAの枝肉等級で5段階中下から2番目のスタンダードが24.7%増加)によるものです。

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  • テキサス州における試験(Griffin, Perino and Wittum, 1995)では、生産性の低下を除いても、BRD罹患によって生産費が8%増加すると発表されました。
  • 同じ試験で、BRD罹患牛は平均日増体量が3%低下し、罹患牛1頭当り111.38ドルの費用がかかるとされました。
  • 別の試験(Snowder et al., 2006)では、BRD罹患による増体の悪化と治療費の増加による経済損失は、1,000頭規模の肥育農場で1頭当りおよそ13.90ドルであると試算されました。

どのような場合であれ、BRDは農場の利益を減らしていきます。

 

ジンプロ・ミネラルがBRDの発生率を低減させる

繁殖農場では、ジンプロ・ミネラルを通年給与することで、BRD感染に対する迅速で強固な免疫応答を起こす能力が高まります。特に妊娠牛に対して、分娩までの最後の90日間の給与が大切です。この期間の給与によって、初乳の生産量増加と品質向上が期待できます。出生後12時間以内に、この初乳が子牛に移行することで、出生直後の子牛の免疫機能の大部分を担っていきます。

ジンプロ社がオレゴン州立大学と行った研究では、分娩までの90日間に亘ってアベイラ4を給与した母牛から生まれた子牛は、肥育農場への移動後にBRD治療割合が有意に少なかったという結果が得られました。

アベイラ4を給与していた母牛から生まれた子牛のBRD治療割合は20%であったのに対して、給与を行っていなかった母牛から生まれた子牛の42%で治療がわれました。さらに、無機ミネラルを給与していた母牛から生まれた子牛のBRD治療割合は59%でした。この試験において、対照区と無機ミネラル区の治療割合に有意差が無かったことにご注意ください。

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BRDの発生が抑えられることで、治療費がかからなくなるだけでなく、労賃も減り、牛にとっても間違いなくストレスが少なくなります。

この試験は、弊社の給与プログラムの一環である“ジェネレーショナル・ニュートリション”の基に行われました。これは、妊娠牛へのジンプロ・ミネラル給与が、お腹にいる胎児の出生後の健康状態改善や生産性向上に寄与するということに着目した考えです。

 

BRDの経営への影響を抑える飼養管理

アメリカの肉牛農場では、離乳期間中において子牛に2度ワクチン(離乳前に1回、離乳時にもう1回)を接種し、肥育農場に導入後4日以内にもう1度接種するプログラムが主流です。肥育農場におけるBRDに関連する斃死は、導入後45日以内に起こるとされています(Edwards, 1996; Loneragan et al., 2001)。実際に、BRDと診断された素牛の91%が、肥育農場に導入後27日以内に発症しているとする研究報告があります(Buhman et al., 2000)。ある研究者が行ったワクチンの費用対効果のシミュレーションでは(Nyamusika et al., 1994)、ワクチンプログラムとBRDの治療を組み合わせることで売上が44ドル増加すると試算されました。

生産者の皆様は、過密飼養を避けることをご検討ください。過密状態では牛がストレスを受けて、飼料摂取量が減少して免疫力が低下します。すると、牛がBRDを始めとしたウィルス性/細菌性疾病に罹りやすくなります。

肥育農場においては、可能な限り同一農場から素牛を導入することが理想です。様々な農場から導入した素牛を同居させる場合と比べてBRDのコントロールが容易になります。
適切な飼養管理に加えてジンプロ・ミネラルを給与することで、BRDの発生割合と重症化を抑えて、農場経営への負の影響を最小限に留めましょう。
アベイラ4は亜鉛、マンガン、銅、コバルトを特別な処方で混合した製剤です。この給与による肉牛の生産性向上が数多くの研究で裏打ちされており、肉牛農場では大きな費用対効果が期待できます。

肉牛におけるアベイラ4を用いたジェネレーショナル・ニュートリション・プログラムに期待される効果の詳細については、弊社営業担当にお問い合わせください。

 

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