育成牛の成長に影響を及ぼす趾皮膚炎とジンプロ・ミネラル

育成牛の成長に影響を及ぼす趾皮膚炎とジンプロ・ミネラル

オルトゥロ・ゴメス博士、獣医師

研究開発・栄養学テクニカルサービス部門 酪農チームリーダーー

ジンプロコーポレーション

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好成績の農場において、育成牛飼養は重要な一役を担っています。22〜24ヶ月齢での初産分娩を十分な体型で迎えるという目標を達成することで、収益性の高い乳生産を達成することの出来る牛になっていきます。

育成牛にとって、牛体の成長、健康的な分娩、高い生涯乳量のために必要な基礎となるブロックを積み重ねていく上で、ビタミンとジンプロ・ミネラルを含めた適切な育成牛向けの飼料設計を行うことが推奨されます。微量ミネラルは強固な免疫反応の確立と健康的な生殖器の発達、皮膚と蹄の健全性の維持、疾病への抵抗性を高めるために必須の栄養素です。

 

趾皮膚炎と炎症

育成牛を飼養する中で大きな問題の1つとして、趾皮膚炎対策が挙げられます。この感染性の蹄病は、性成熟を迎えた頃の育成牛から発生し始めることにご注意下さい。この疾病の特性と、原因菌が牛の体内に一度侵入し慢性病変を形成してしまうと治療が困難であることから、育成期に趾皮膚炎に罹患した牛は“一生に亘る持続感染牛”となってしまいます。

趾皮膚炎は牛の行動を変化させることが分かっています。重症度によりますが、歩行時の不快感や疼痛、歩くのを躊躇って長く起立していること、歩くことにより多くのエネルギーを用いなければならないことなどが観察されています。この結果、飼槽訪問回数が減って、飼料摂取量が減少することもあるかもしれません。本来であれば増体や組織の発達のために用いるべき栄養素は、趾皮膚炎とそれに関わる炎症に対処するために用いられてしまいます。

 

亜鉛: 趾皮膚炎対策のための微量ミネラル

育成期の趾皮膚炎罹患が、初産時の生産性に及ぼす影響についての、微量ミネラルに関する試験が行われました。この試験では、分娩6ヶ月前の未経産牛719頭を対象とし、2種類の微量ミネラル給与プログラムが行われました。対照区の未経産牛には、硫酸塩由来の無機ミネラル給与プログラムが施されました、試験区には硫酸塩由来の無機微量ミネラルとジンプロ社のアベイラプラス由来のジンプロ・ミネラルを組み合わせて、趾皮膚炎対策のために特別に処方されたDD対策のプレミックス給与プログラムが施されました。

未経産牛の趾皮膚炎を観察し、分娩時に3つのカテゴリーに分類しました。

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初産時の泌乳期を通してこの牛たちの観察を継続し、乳量、蹄の健康状態、繁殖成績を記録しました。この結果、育成期の授精から分娩までの間に、1回以上趾皮膚炎に罹患した牛は、初産時に趾皮膚炎病変が形成される危険性が高いことが分かりました。

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牛の繁殖成績と趾皮膚炎には、強い相関関係があることも判明しました。育成期に趾皮膚炎に罹患しなかった初産牛と比べて、育成期に複数回罹患歴があった初産牛では、初回授精受胎率の低下と空胎日数の延長が見られました。

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さらに、趾皮膚炎罹患の有無に関わらず、アベイラプラス由来のジンプロミネラルを混合した特別なDD対策プレミックスを給与した未経産牛は、無機微量ミネラルを給与していた未経産牛と比較して次の結果が得られました。分娩後、初産時305日乳量が192kg多く、初産時の泌乳期全体を通して、飼料効率が11%高く、在群割合が5.6%向上しました。

 

微量ミネラル:育成牛の栄養管理の鍵

趾皮膚炎の感染経路や農場における蔓延の過程についての研究が進むにつれて、若齢期から早期に総合的な予防対策および管理戦略を行うことが有効であることが明確になってきました。有効と考えられる対策として、以下の3つの重要なポイントがあります:

  • 育成牛における感染初期の趾皮膚炎病変の定期的な観察と適切な治療によって、疾病が蔓延する原因となる慢性病変を減らす。
  • 清潔で乾燥した環境と、必要に応じて蹄浴を行うことで皮膚へのストレスを減らし、感染を予防する。除糞頻度を増やすことや飼養密度を低減することも、下肢の衛生状態を改善する上で非常に効果的。
  • ジンプロ・ミネラルを組み込んだ適切な育成牛向けの飼料設計を行うことは、全ての成長ステージにおいて趾皮膚炎を予防するための重要な鍵となる。栄養は趾皮膚炎の予防戦略の一端となるだけではなく、育成牛の分娩後の生涯成績に好影響をもたらす。

アベイラプラスなどのジンプロ・ミネラルのご質問、ご相談は弊社営業担当者にご連絡下さい。農場における趾皮膚炎のステージの正確な識別方法と記録方法については、弊社のDDアプリをご参照下さい。

 

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