なぜ蹄浴が上手くいかないのか?

なぜ蹄浴が上手くいかないのか?

ダリル・クラインシュミット博士

主任研究員 – 乳牛

ジンプロコーポレーション

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多くの農場で、趾皮膚炎といった慢性的な感染性の肢蹄の問題の予防とコントロールのために、蹄浴を行なっています。どのような飼養形態の農場においても、蹄浴は薬液を用いて大量の牛を迅速かつ効果的に消毒する簡単な方法です。しかし、適切に設置、運用されていない蹄浴方法では、問題を改善することはなく、より悪くする場合もあります。蹄浴プログラムの効果を最大限に高めるためには以下の3つの要因があります:

  • 衛生状態
  • 適切な蹄浴槽のデザイン
  • 効果的な蹄浴管理

下記に挙げる一般的に見られるミスを犯さないことで、蹄浴の効果と効率を高め、乳牛の蹄病を引き起こすヒゲイボのような問題を予防しましょう

 

蹄浴槽の長さと幅の不備

一般的に、研究者が推奨する蹄浴槽は以下の通りです。

  • 全肢が最低でも薬液に2度浸かるだけの十分な3〜3.7mの長さ
  • 牛の動きを阻害しない0.5〜0.6mの幅
  • 薬剤が十分に付着する最低10cm以上の薬液の深さ
  • 薬液の飛沫が飛び出るのを防ぐ傾斜をつけた側板と、牛の通過をスムーズにする横壁

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薬液の混合や交換の不備

薬剤が汚染されてしまったり、正しく混合が行われなかったり、適切な濃度ではない場合、その効果が著しく損なわれます。多く農場では一般的に、100〜300頭の牛が通過すると薬液を交換します。しかし、交換頻度は牛の衛生状態、薬剤の種類、薬液濃度、蹄浴槽のサイズ、天候などによって変わります。

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薬剤刺激が強すぎる

蹄浴に用いる薬剤が強すぎるものであると、問題が解決せずに費用がかさむだけでなく、皮膚を焼いたり炎症を引き起こしたりしてしまいます。過剰使用することで、蒸発する際に牛だけでなく、人にとっても有害なガスを発する薬剤もあります。常に換気を良好に維持し、薬剤の使用方法に従って使用しましょう。

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薬液を冷やし過ぎる

蹄浴に用いることが多い薬剤の中には、温度が4度を下回ると効果を発揮しなくなるものもあります。

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安定性がない

蹄浴は毎週、連続した日で行わなければいけません。下肢の衛生状態が、週に何日蹄浴を行うかを決める目安になります。汚れている牛が多いと、より蹄浴の頻度を増やさないといけません。経験豊富な作業員もしくは同じ人が蹄浴管理を担当することで、いつも混合作業が安定し、優れた薬液管理が出来、最も費用対効果を高めることが出来ます。薬剤を用いない日も、石鹸浴(水100リットルに対して石鹸を1リットル投入)を行うことで、衛生状態を維持出来ます。固定式の蹄浴槽の場合、蹄浴を行わない日には蹄浴槽の上を通らなくて良い迂回路を設けることが推奨されます。

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蹄浴に多くを期待し過ぎる

蹄浴は、牛の感染性の蹄病による跛行を予防するための魔法の方法ではありません。農場において、最良と考えられる肢蹄の健康全体を改善する作業である、定期的な蹄の観察、正しい蹄病変の識別、ロコモーションスコアの測定、削蹄と下肢の衛生状態の改善を、蹄浴を行うことと同時に行なっていきましょう。

また、ジンプロ社では、蹄浴の評価を行うことが出来るFirstStepアプリを公開しています。FirstStepの蹄浴評価を下肢の衛生スコアと併せて用いることで、農場ごとに適切な蹄浴プログラムを確立するお手伝いを致します。農場における最適な蹄浴プログラムを、FirstStepの推奨を元にご検討下さい。

 

                  趾皮膚炎のサイクルを遮断する
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