抗生物質を使用しない生産における最善策
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抗生物質を使用しない生産における最善策

クリス・アシュワース博士、獣医師

ジンプロコーポレーション

抗生物質を使用しない生産には、多くの飼養管理が必要ですが、抗生物質を用いずに動物の健康を維持させる効果的な方法があります。それは、抗生物質不使用製品を求める消費者の需要に応えようとしている方にとっては朗報です。抗生物質を使わないためには、飼料中に微量ミネラルを添加することが一つの鍵であることが分かりました。

 

抗生物質を使用しない場合の問題点

抗生物質を注射するにせよ、餌に添加するにせよ、抗生物質を使用する目的は微生物の感染と体内での増殖を防ぐことによって動物の健康を向上させることです。抗生物質を使用しない場合、動物は疾病に罹患しやすくなり、その結果治療費と斃死数が増加してしまいます。更に、罹患している動物は追加のバイオセキュリティーを講じても、体重増加率、総増体量、出荷時体重、産卵数など生産性が低下してしまいます。

抗生物質を使用せずにこれらの問題を対処するためには、経営及び動物の健康面にとっても、免疫システムを強固にする必要があるのは明らかです。抗生物質を使用せずに動物の健康と生産性を向上させる方法の一つとして、動物の飼料中に微量ミネラルを添加することが挙げられます。ジンプロの実施した試験から、ジンプロ・ミネラルを給与することが、疾病に対するより強固な初期免疫反応を獲得することに役立つことが分かりました。特に銅、亜鉛、セレンそれぞれが、白血球が病原性細菌を制御することに非常に重要な役割を担っています。免疫システムが強固であれば、動物の健康を維持するための抗生物質の必要性を減らしてくれるでしょう。また実は、抗生物質を使用することで、腸管の炎症などの他の健康問題が隠れてしまうことがあるのです。

 

腸管の炎症がリーキーガットを引き起こす

腸管内部は、上皮細胞層で構成されています。これらの細胞は、 “タイトジャンクション”と呼ばれるタンパク質複合体によってお互いに密接結合しています。それにより、細菌や病原体、毒素などが腸管内から血流へ侵入するのを防いでいます。動物が暑熱ストレスや細菌感染、飼料汚染などに晒されると、タイトジャンクションの結合が弱まり、“リーキーガット”と呼ばれる現象を引き起こしてしまいます。

リーキーガットに陥ると、細菌や病原体、毒素が細胞間隙から侵入し、その結果腸の細胞損傷や炎症を引き起こしてしまいます。免疫システムは侵入した抗原を排除しようと活性化します、つまり炎症を引き起こします。活性化した免疫システムは、炎症を抑えるために大量の栄養素を必要とします。それにより、筋肉成長などの生産性に用いられるはずの栄養素量が減少してしまいます。

 

亜鉛はどの様に免疫反応を向上させ、リーキーガットを軽減するのか

亜鉛がリーキーガットによって引き起こされる炎症を抑える方法は2つあります。1つ目は、消化管や呼吸器系の上皮細胞間の結合を強固にすることで、腸や肺の自然防御能力を高めることです。亜鉛は、通常の細胞の生理と代謝を維持するために不可欠です。それにより、細菌や病原体の感染時もタイトジャンクションを維持することができ、リーキーガット及び関連する腸管の炎症の発症を軽減することが出来るでしょう。

2つ目は、亜鉛は白血球数増加に関与します。それにより、感染時に免疫システムがより迅速かつ強固に反応することが出来ます。更に亜鉛は、ワクチン接種後の抗体価を大幅に上昇させます。抗体価は、血中の抗体量を測定することで、抗体の獲得を調べる試験です。抗体価は、侵入した微生物に対しての免疫反応の強さと相関関係にあります。高い抗体価は、侵入した微生物を排除または中和させる能力が高いことを意味しています。その結果、動物がより早く成長し、筋肉を発達させることが出来る様になります。

 

抗生物質を使用しない生産のための飼養管理方法

畜種ごとに、細菌と闘う能力を向上させるための最適な飼養管理方法があります。例えば、抗生物質不使用豚肉や牛肉生産の場合、最後に農場で確認された疾病を抑えるための適切なワクチネーションプログラムを用いるでしょう。つまり、不顕性疾患の動物と臨床性疾患の動物を効果的に診断するために、管理獣医師と密に協働する必要があるでしょう。

鶏肉生産においても同様のことが当てはまります。さらに、鶏では以下の方法を取る必要があります:

  • 疾病罹患を抑えるために、飼養密度を最大20%低下させる
  • 病原体を減らし鶏舎内の空気の質を高めるために、鶏群の入れ替え時に敷料を交換する

これらの最善策に合わせて、科学的に効果が実証されているジンプロ・ミネラルを用いることで、抗生物質使用の有無に関わらず、動物の健康と生産性を改善し農場の収益性を高めることが出来るでしょう。

抗生物質を使用しない生産において、ジンプロ・ミネラルがどの様に動物の健康と生産性を高めるのかに関するご質問、ご相談は、弊社営業担当者までお問い合わせ下さい。