表皮の健全性と回復力は、水産生物にとって疾病の発症予防に重要である。
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表皮の健全性と回復力は、水産生物にとって疾病の発症予防に重要である。

クラウディア・シルヴァ博士

ジンプロコーポレーション

上皮組織は、多くの動物で体の内部と外部を覆っており、寄生虫やウイルス、細菌からの初期防衛機構です。

強固かつ健全な上皮組織及び表皮の健全性は、魚において特に重要です。なぜなら、魚は常にウイルスや細菌、寄生虫の存在する水と、直に接しているからです。

上皮細胞が脆弱だと、病原体が体内へ侵入し、組織に蓄積します、それにより感染症や炎症が引き起こされ、成長の鈍化や最終的には死に陥ってしまいます。

 

上皮細胞の健全性を損なう要因

表皮の健全性の低下は、養殖現場でよくみられます。これらの魚は移動や選別、ワクチン接種などの様々な物理的ストレス要因、及び表皮損傷を引き起こす感染体に晒されています。さらに、環境変化も表皮の形態と健全性に影響を及ぼすでしょう。例として、アトランティクサーモンを養殖時に、海水へ移動する場合などが挙げられます。ヒトや魚を含む様々な動物種において、亜鉛は損傷の回復を調節するために不可欠な因子として、長い間認知されています。亜鉛は、凝固または、止血、炎症、増殖、上皮組織の再構築といった、損傷の回復過程の全ての段階で重要となります。魚が損傷または表皮病変を発症した時は、素早く回復することが必要です。もし、損傷の回復が遅ければ、細菌やウイルスが表皮から侵入し、二次感染の可能性が高まってしまいます。

ストレス要因も、表皮の健全性を低下させ、上皮組織を脆弱化させます。環境ストレスや病原体だけでなく、飼料原料中の抗栄養因子も腸内微生物叢や微絨毛形態、腸細胞の健全性に負の影響を与えることが報告されています。これら全てが、腸内の健康を悪化させて、結果として栄養素の消化性と腸の免疫力の低下に繋がります。実際に、サポニンのような抗栄養因子は、魚の腸炎を誘発し、成長と健康を損なう恐れのある炎症誘発性因子です。

 

上皮の健全性が低いと、エラと目が損傷を受けやすくなる

魚のエラは、ガス交換や浸透圧調節、酸塩基平衡調節、アンモニア排出、免疫防御など様々な機能を持った器官です。魚の病原体は、水中で容易に拡散します、そしてエラにある薄い呼吸器上皮が病原体の侵入箇所になります。エラ表面は、体重1kgあたり約0.1~0.4 m2であり、外部環境と接触する最も大きな器官特異性の表面です。エラ上皮細胞は、体表面積の50%を占める粘膜細胞を含む、複数の細胞からなる複雑な組織です。なので、エラ上皮組織の健全性を維持することは、魚の健康において最も重要なのです。

眼水晶体の病気である白内障は、養殖のサケ科では一般的な問題であり、上皮細胞の損傷と関係があります。脊椎動物では、眼水晶体は眼表面の外胚葉に由来する非血管組織で、単純な上皮構造をしています。必須栄養素を評価すると、亜鉛欠乏が白内障を引き起こすことが分かりました。幸いなことに、亜鉛給与がニジマスやサーモンといった種において、この問題解決に効果的であることが実証されています。

 

ジンプロ・ミネラルが、表皮と腸の健康を向上させる

健康な表皮のための第一歩は、最適な栄養素を与えることです。魚が、表皮の健全性の問題に対応できるようにする方法の一つが、ジンプロ・ミネラルを飼料中に添加することです。亜鉛、マンガン、銅は損傷の回復力を向上させるために不可欠です。これらの微量ミネラルは、細胞分裂の維持やタンパク質合成、活性酸素を除去する抗酸化作用を通して、上皮組織の健全性を向上させます。

無機微量ミネラルをジンプロ・ミネラルで部分的及び完全置換した場合、ヨーロピアンシーバスの腸内杯細胞数が25%増加し(図左)また、表皮の杯細胞数も61%増加しました(図右)。杯細胞は粘膜免疫の一部を担っており、魚を病原体から防御するために重要な役割を果たします。魚は体表面全体(エラ、腸、表皮)が粘膜で覆われており、それが病原体の侵入に対する初期免疫防御機構の一つです。

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ジンプロ・ミネラルは、無機微量ミネラルと比較して、アトランティクサーモンにおいて、ウオジラミ侵入後の表皮病変を減少させることが実証されています、それは、病原体への防御機構が高まったことを示唆しています。無機亜鉛の半分量のアベイラ亜鉛を添加することで、サーモンにおいてウオジラミ数が有意に減少しました(図)。またウオジラミは魚1匹あたり約10%減少しました。

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興味深いことに、アベイラ亜鉛を給与すると、無機亜鉛給与時と比較して、表皮健全性のスコアがより望ましいものであることが示唆されました(図)。この試験から、20%のフィッシュミールに60ppmアベイラ亜鉛由来の亜鉛を添加すると、良好な成績と健康結果を得ることができました。また、フィッシュミールが植物由来の蛋白源に置き換えが進むにつれて、必須微量ミネラル添加の必要性は増加し、生体内有効性も増加することが期待できます。

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