動物におけるリーキーガットと炎症
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動物におけるリーキーガットと炎症

コニー・ラーソン博士

ジンプロコーポレーション

腸管は体内で最も長い器官で、動物の免疫機能の約70%以上が腸管にあると言われています。それ故、腸管の健康を適切に保つことが、動物の生産性にとって必要不可欠です。

腸管の機能の1つが、絨毛と呼ばれる小さな指のような突起体からの消化吸収です。絨毛は腸管の表面積を格段に広げることで、血流への栄養吸収をより効率的に行います。もう1つの重要な機能がバリアー機能です。

 

タイトジャンクション:腸管の健全性を維持するための重要な鍵

腸管内部は、粘膜上皮細胞層で構成されています。これらの細胞は、タイトジャンクションと呼ばれる、タンパク質複合体構造によって互いに結合しています。この構造がバリアーとなり、細菌や病原体、毒素が腸内膜の細胞間隙から血流に侵入することを防いでいます。

腸管の粘膜上皮細胞の健全性を維持することは、病原体が体内に侵入するのを防ぐために重要です。しかし、タイトジャンクションが正常に機能しないと、リーキーガットと呼ばれる状態になることがあります。

 

どのようにリーキーガットが炎症を引き起こすのか

リーキーガットとは、小腸の粘膜上皮細胞が損傷した状態の事を言います。それにより、細菌や病原体、毒素といった分子が腸粘膜上皮の細胞間隙から侵入し、結果的に細胞の損傷や腸の炎症を引き起こします。

一度、細菌や病原体、毒素が細胞間隙から侵入すると、免疫システムがそれらを認識し、侵入物を破壊、除去するための免疫反応を起こします。この炎症過程及び免疫システムの活性化のために、大量の栄養素を消費します。

適切な炎症反応は必要ですが、過剰または長期的な炎症は動物にとって有害となります。慢性的、長期的な炎症に陥った動物は、今後適切な免疫反応を獲得することが出来ない可能性があります。

慢性炎症は、成長や繁殖、肉・乳・卵生産といった、動物の重要な機能に使われる栄養素量を減少させます。例えば、ある炎症反応を起こしている牛では、最初の12時間で1kg以上のグルコースを消費すると言われています。本来このエネルギーは生産に使われるはずでしたので、この損失だけみても、動物の炎症反応を改善することは、常に最優先事項であるべきだという事が分かります。

 

ジンプロ・ミネラル:亜鉛がタイトジャンクションの強化に役立つ

亜鉛が不足すると、腸管のタイトジャンクションの弱体化がより深刻になることが、様々な試験から明らかになっています。亜鉛は、腸内の組織や分子、粘膜上皮細胞の構成成分の形成において、重要な要素です。

亜鉛がリーキーガットによる炎症を抑える方法は2つあります。1つ目は、腸管の粘膜上皮細胞間の結合を強固にすることです。それにより、細菌や病原体等から攻撃を受けた時のタイトジャンクションの維持に役立ち、リーキーガットや関連する炎症の発生を緩和出来ます。2つ目は、動物の白血球数を増加させることです。それにより、攻撃を受けた時に、免疫システムがより迅速かつ強固に反応することが出来ます。

 

リーキーガットを軽減する方法:ジンプロ・ミネラルと飼養管理

生産現場では、リーキーガットや炎症、免疫システムに対してより一層注意を払うことが大切です。今まで、抗生物質が動物の疾病の予防と治療に主に使用されてきましたが、今後は抗生物質の使用が更に制限されていきます。その様な状況で、リーキーガットや炎症といった腸の健康状態が、家畜・家禽の生産性の向上のために、更に重要な課題となるかもしれません。

リーキーガットを軽減する方法の一つが、飼養管理です。畜産業界では抗生物質の使用が制限されていますので、生産者は最善の飼養管理方法を再考する必要があるでしょう。畜舎内の密度を減らすことや、より徹底した衛生管理を実施することも必要になるでしょう。

もう一つの方法が、ジンプロ・ミネラルを飼料に添加することです。アベイラ亜鉛由来の亜鉛といったジンプロ・ミネラルを飼料に添加することで、動物が強固な免疫反応の獲得、及び継続した生産性維持のために必要な微量ミネラルを、確実に適切量摂取することに役立つでしょう。

リーキーガットと亜鉛に関する詳しい情報やご質問、ご相談は弊社営業担当者までお問い合わせ下さい。

 

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