上皮細胞は、健康な腸管、皮膚、蹄の健全性の維持のために重要である。
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上皮細胞は、健康な腸管、皮膚、蹄の健全性の維持のために重要である。

ダナ・トムリンソン博士

ジンプロコーポレーション

皮膚などの上皮組織は、環境刺激に対する第一防御層です。上皮組織は、呼吸器や生殖器、泌尿器、消化管などの腔、管、臓器、血管のような体の内外部を覆っています。

上皮細胞は、一般的にタイトジャンクションと呼ばれるタンパク質複合体で互いが“結合”及び“縫合”し合っています。これらのタイトジャンクションの役割は、細胞同士を結びつけることです。タイトジャンクションが弱体化または損傷すると、細菌や病原体、毒素が上皮細胞間隙から血流へ侵入し、その結果免疫システムが活性化し炎症を引き起こします。上皮組織は、環境刺激から防御するタイトジャンクションの健全性を維持するために、常に修復と交換が行われなくてはなりません。

 

強固なタイトジャンクションは、上皮組織の健全性向上に繋がる

亜鉛やマンガンといった微量ミネラルは、上皮組織の生成と維持に重要です。

保護層や細胞構造を維持するために、上皮細胞には、強固なタンパク質繊維の束であるケラチンフィラメントで構成されている細胞質基質が存在します。皮膚を柔軟で不溶性にし、自然環境に対して反応しない防御層にすることが、ケラチンの主な役割です。亜鉛は角化の過程で重要なミネラルです。

 

リーキーガットと腸の炎症を制御する

腸管内はタイトジャンクションによってお互いが結びついている上皮細胞層で構成されています。細菌や病原体、毒素が腸内から血流へ侵入することを防ぐのが、上皮細胞層の役割です。タイトジャンクションが弱体化すると、細菌や病原体、毒素が上皮細胞間隙を通過出来るようになり、リーキーガットと呼ばれる現象を引き起こします。リーキーガットは、暑熱ストレスや細菌、飼料汚染、脱水、亜鉛欠乏によっても引き起こされることがあります。

リーキーガットに陥ると、免疫システムの反応によって、細胞損傷や腸の炎症が引き起こされるがあります。炎症が起きると、免疫システムがより多くの栄養素を、感染を抑えるための免疫反応に必要とするので、成長期の動物の筋肉成長といった、生産性に利用される栄養素量が少なくなります。飼料にアベイラ亜鉛由来の亜鉛を添加することで、腸管内の上皮細胞の結合を強固にし、タイトジャンクションを維持することで炎症を制御することに役立ちます。

母豚での試験において、妊娠期の栄養プログラムにアベイラ亜鉛を組み込むことで、生まれてくる子豚の上皮内リンパ球数と杯細胞数が増加し、より強固に腸が保護される兆候が見られました。また、暑熱ストレスに晒された母豚にアベイラ亜鉛を給与すると、腸管の問題が少なくなることで、免疫反応の健全性が高まり、動物の生産性が向上することが試験から分かっています。

さらに、23の試験をまとめた結果から、ジンプロ・ミネラル由来の亜鉛、マンガンまたはその両方を鶏に給与することで、無機由来の同様の微量ミネラルを給与した時と比較して、腸の強度が15%以上改善したことが分かりました。

 

ブロイラーの皮膚擦過傷を減らす

ブロイラーにおいて、外部上皮組織は鶏と環境との間の物理的な壁として機能することで、鶏を疾病から守っています。鶏の皮膚が傷ついてしまうと、細菌に感染しやすくなり、屠体不良を引き起こしてしまいます。

上皮組織を細菌感染や物理的な損傷から守るために亜鉛が必要です。アーバン大学で実施された試験から、硫酸亜鉛の代わりに、アベイラ亜鉛をブロイラーに給与すると、皮膚病変発症率が42.7%から9.6%に低下したことが明らかになりました。また、蜂窩織炎52%から40%、重度の蜂窩織炎の発症率が20%から8%と、それぞれアベイラ亜鉛を給与することで低下しました。

以上の試験から、ブロイラーにアベイラ亜鉛を給与することで、腫れやかさぶた、擦過傷、趾蹠皮膚炎の発症を減らし、皮膚の健全性を向上させることが分かりました。それにより、屠体不良数が減り、出荷可能な屠体数が増えると考えられます。

 

乳牛と肉牛の蹄の健康を向上させる

複数の試験から、ジンプロ・ミネラルは蹄の健全性を向上させることが分かっています。1年を通じてイリノイ州立大学で実施された試験から、牛に1日200mgのジンプロ社の硫酸亜鉛メチオニン由来の亜鉛を追加給与することで、給与しなかった場合と比較して趾間ふらんや蹄踵の亀裂、趾皮膚炎、蹄葉炎の発症が少ないことが明らかになりました。

2,900頭以上の乳牛を用いた大規模で長期的な試験からは、ジンプロ・ミネラル由来の亜鉛、マンガン、銅、コバルトを給与することで、蹄病が減少することが明らかになりました。また、二重蹄底と白帯病、趾皮膚炎の発生がそれぞれ、59.2%、34.2%、33.1%も減少しました。このことから上皮組織の損傷の影響を最も受けやすい蹄病が、微量ミネラルの給与により改善しました。

肉牛では、ジンプロ社の硫酸亜鉛メチオニン由来の亜鉛を216mg給与すると、趾間ふらんの発生が、非給与の場合の5.38%に比べて、2.45%に低下しました。

 

上皮組織の健全性を維持する

上皮組織は、過酷な環境刺激に対する第一防御層であり、常に修復と交換が行われなくてはなりません。微量ミネラルは、上皮組織の生成と維持に重要な役割を果たします。ジンプロ・ミネラル由来の亜鉛、マンガン、銅を給与することで、動物の健康と生産性を向上させることが出来ます。

動物の上皮組織の健全性維持におけるジンプロ・ミネラル給与に関するご質問、ご相談は弊社営業担当者までお問い合わせ下さい。